今日は、GIMP で編集中の画像を、AI の力でアップスケールできるようにするプラグインgimp_upscaleを紹介しようと思います。
「gimp_upscale」は、GIMP 上で超解像 AI を使用できるようにするプラグインです。
GIMP で編集中の画像を、Real-ESRGAN で 0.1 倍 ~ 8 倍にアップスケールできるようにするプラグインで、編集中のレイヤー、もしくは選択した領域内の画像を、AI の力で綺麗に高解像度化(≒高画質化)できるようにしてくれます※1。
※1 アップスケール対象を “ レイヤー ” にするとリサイズも行われるが、アップスケール対象を “ 選択領域 ” にすると、対象領域をリサイズすることなく高解像度化(≒高画質化)が行われる。
操作は、使用する AI モデルと拡大率を指定するだけなので超簡単。
普段、GIMP を利用している人におすすめです。
gimp_upscale をインストールする
- GIMP が起動中である場合は、終了させておきます。
- 解凍 して出てきた「gimp_upscale」フォルダを、
C:\Users\ユーザー名\AppData\Roaming\GIMP\2.10\plug-ins
内にコピーします。
ポータブル版の GIMP を使用している場合は、解凍して出てきた「gimp_upscale」フォルダを~\GIMPPortable\Data\.gimp\plug-insフォルダ内にコピーします。
(「plug-ins」フォルダがない場合は、手動で作成しておく) - アンインストールする時は、「plug-ins」フォルダ内にコピーした「gimp_upscale」フォルダを削除すれば OK です。
gimp_upscale を使う
- GIMP を起動し、アップスケールしたい画像を読み込みます。
- レイヤーが複数存在する場合は、アップスケールしたいレイヤーをクリックしてアクティブにします。
画像内の特定領域のみをアップスケールしたい時は、目的とする領域を選択状態にしておきます。 - メニューバー上の「フィルター」→「強調」から「AI Upscale (NCNN)」を選択します。
- 「python-fu-upscale-with-ncnn」という画面が表示されます。
まず、一番上の「AI Model」欄で、使用する AI モデルを選択します。
各モデルの特徴は、大体下記のような感じです。- realesr-animevideov3-x4 : アニメ動画向け
- RealESRGAN_General_x4 - 汎用モデル
- realesrgan-x4plus - 汎用モデル、効果強(処理重め)
- realesrgan-x4plus-anime - アニメ画像向け、効果強(処理重め)
- UltraSharp-4x - シャープネスに重点を置いた実写向けモデル(処理重め)
- AnimeSharp-4x - シャープネスに重点を置いたアニメ向けモデル(処理重め)
- 次に、「Input Source」欄で、アップスケールする領域を選択します。
編集中のレイヤーをアップスケールしたい時は「Layer」を選択し、選択領域内のみをアップスケールしたい場合は「Selection」を選択します。 - 選択領域内のみをアップスケールする場合、選択領域のコピーを別レイヤーとしてバックアップすることもできます。
選択領域を別レイヤーとして残しておきたい時は、「Keep Selection Copy」欄をクリックして「する」に変更しておきます。 - 最後に、「Size Factor」欄で、拡大率を指定します。
(0.1 ~ 8.0) - 設定が完了したら、下部にある「OK」ボタンをクリックします。
- アップスケールが実行されるので、しばらく待ちます。
- 少し待ち、「python-fu-upscale-with-ncnn」画面が消えたらアップスケール完了です。
アップスケールされた画像が、新しいレイヤーとして出力されます※2。
※2 レイヤーをアップスケールした場合は、「背景 コピー」というレイヤー名で出力される。
選択領域をアップスケールした場合は、「Upscaled Selection」というレイヤー名で出力される。レイヤーをアップスケールした場合は、必要に応じて元のレイヤーを削除したり非表示化したりします。
引き続き編集を行う場合は、メニューバー上の「表示」から表示サイズを調整したりするとよいでしょう。選択領域をアップスケールした場合で、オリジナルの選択領域をバックするようにしていた場合、オリジナルの選択領域は「貼り付けられたレイヤー」というレイヤー名で出力されます。
オリジナルが必要なければ、これも削除したり非表示化したりします。
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